忖度の難しさ 2019 4 20

「番犬の悩み」
 今日の新聞には、2016年の大統領選挙における、
「ロシア疑惑」をめぐる捜査報告書の記事がありました。
 これについての私の感想は、
「FBIは、たまに吠える時もあるのか」というものです。
 私は、アメリカ政治に興味を持って、もう数十年経ちましたが、
同じテーマで数十年勉強したわけではなく、
いろいろなテーマで勉強したのです。
 FBIについても勉強しました。
FBIは、吠える時と吠えない時があり、
どういう基準で「吠える吠えない」を選んでいるのかわかりませんでした。
 たとえば、最近では、
リビアでアメリカ大使が殺害された事件は、
私は、「アメリカ史に残る大事件になるのではないか」と思ったのですが、
連邦議会にもマスコミにも、
この件をうやむやにする意思があることをはっきり感じたので、
私も「同盟国アメリカの機嫌を損ねてはまずい」と思い、
この件については、書くのをやめました。
日本のメディアも忖度して、詳しく報道しませんでした。
 次に、「ウラニウムワン疑惑」も重大な問題であると思ったのですが、
いつものごとく連邦議会もマスコミも沈黙に近かったと思います。
日本のメディアも、ほとんど報道しませんでした。
 私が、このように「忖度」を気にするようになったのは、
あることがきっかけです。
 あれは、2003年ごろだったと思いますが、
ブッシュ大統領が空母の甲板上で、
イラク戦争の勝利宣言をした時に、
私は、「イラク戦争、泥沼へ」と書いて袋叩きに遭いました。
 アメリカのメディアを見てみると、
ブッシュ大統領を絶賛していて、私は「しまった」と思いました。
 しかしながら、アメリカのメディアは、
イラク戦争が泥沼になるのは、当初からわかっていたはずです。
 ある時は、政権を絶賛して、ある時は、批判する。
これが、猫の目のように変わって、わかりにくい。
それがアメリカ政治を勉強して数十年の感想です。
 そう言えば、思い出したことがあります。
図書館で、アメリカ政治の本を読んでいた時に感じたことですが、
私は、「フーバー大統領は、そんなに悪い大統領ではない。
ちゃんと仕事をしている」と思っていたのですが、
フーバー大統領を攻撃して、
意図的かつ集中的に「悪い」と印象づける本が多かったのです。
 ところで、トランプ氏は、大統領選挙の時に、
「政治をエリート支配から取り戻す」と言っていましたが、
この意味を詳しく書くことは、
そして、この発言が将来どういう結果を招くのかについて書くことは、
アメリカのエリート層の機嫌を損ねることになるので、
私は、忖度して、書きませんでした。

正義 2017 5 21

映画 コンカッション CONCUSSION

「映画.com」によると、この映画は、以下の通り。
 ウィル・スミスが、引退したアメリカンフットボール選手の死と、
アメフトの因果関係を発見する実在の医師を演じ、
第73回ゴールデングローブ賞で最優秀主演男優賞(ドラマ部門)にノミネートされた作品。
 ナイジェリアからやってきた医師ベネット・オマルは、
NFL(ナショナル・フットボール・リーグ)を引退し、
心筋梗塞で亡くなったマイク・ウェブスターの変死解剖に携わる。
 オマルは、プレイ中の頭部への激しいタックルが原因である、
脳の病気「CTE(慢性外傷性脳症)」を発見し、
論文を発表するが、NFLサイドは、オマルの見解を全面否定。
権力を使い、オマルと彼の周囲に圧力をかけていく。
(引用、以上)
 「権力を使い、オマルと彼の周囲に圧力をかけていく」というところでは、
FBIが、公用のFAXを私的に利用したという微罪で、
オマルの上司を逮捕して、
オマルの医学的な発見を取り下げさせようとする場面があります。
 日本人は驚くでしょうが、
FBIは、政治的な目的を達成するために、
微罪でも市民を逮捕するという場面が、
他の映画でも出てきたと思います。
映画にとって、FBIは、一種の政治警察のようなものでしょう。
 結局、オマルの主張は認められることになります。
引退したスター選手の相次ぐ変死に対して、NFLは認めざるを得なくなったのです。
 アメリカにおいて、NFLは、巨大な産業ですが、
母親の1割が、息子に、
「アメリカンフットボールは危険なスポーツだ」と言えば、
NFLは存亡の危機を迎えると考えて、
「権力を使い、オマルと彼の周囲に圧力をかけていく」ことになったのです。












































































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